QQ色ボケ仙人の話

もう遥か30有余年
テレビと云う機械に、可愛い歌い手さんが映っていた。
その歌い手さんの、姿形…声の綺麗さ身振りの良さに
若き日の仙人は虜になった。
およそ三千世界で、唯一の惚れ様の人だ。

しかし、仙人は演歌に関心薄く、好きでもないので
下界に降りレコードもカセットテープも買う事も無く
歳月は流れ…記憶も薄れかけていた。

仙人の若きころのリアル世界は、幾多の恋に破れ、恋はやめようと
ほぼ関心薄れた。
そんな折、Youtubeなるモノにより
若き日の、愛しいさこの上ないその歌手が出ていたのだ。
仙人は
若き日の歌い手さんを繰り返し、繰り返し見続ける事となった。
如何に恋慕しても仙人の届かぬ世界の人なのに…。
そして仙人も仙人らしい歳になって、高い木の枝から足踏み外す
色ボケ仙人そのものに…。
結果は
レコードの時代を過ぎ、カセットテープの時代も過ぎ去り
やっとさ
その歌い手さんのCDを手に入れ自身を慰めている。
そして
リアル世界の女仙人探しに勤しもう、と。
さて
その歌手は…さゆり節の石川さゆりさん。